第 20 回放送  :  2011 年 8 月 16 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

学生つなぎ隊のワークショップ

報告 : 増田 萌那  ( 被災地 × 学生つなぎ隊 )


   7 月 22 日、早稲田大学にて「 被災地 × 学生つなぎ隊 」企画の第 3 回ワークショップ 「 被災地の今 ~ 夏休みにできること 」 を開催しました。 学生それぞれの被災地への想いや考えを、一部ですがご覧ください。

「 ボランティアに行きたいと思うが、どうしたら良いのか分からない 」
「 震災ボランティアって不安だ 」

   という気持ちを持っている学生の皆さんに参加していただきました。 また、既にボランティアで現地へ行った経験を持つ学生や、復興支援に長期的に携わっている方にも参加していただきました。

   このワークショップでは、学生視点で自分たちが感じたことを自由に伝えることが出来ます。 体験したからこそ分かったことや、自身で見て考えたことを自由にアウトプットして、情報を共有しました。

   また、ディスカッションを通し、自分の考えていることを人に話してみることで、 意外な視点から反応をもらったり、新しい情報や誘いを受けたりと、 それぞれの学生にとって意味のある場になっていることを実感しました。

   今回のワークショップが、この夏休みに何かしらの被災地と関わるきっかけになっていたら幸いです。

   そして、この様子を映像を通して見ていただいた多くの方に、 これから将来を担う若者の想いや可能性に対して、期待を持っていただければ嬉しく思います。

   学生は、被災地の今とこれからを各々の視点で捉え、考え、見つめています。

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第 19 回放送  :  2011 年 8 月 9 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

宮崎県串間市 3/11 Turning Point

報告 : クリンガー・サシャ  ( 国際交流員 )


   東日本大震災のちょっと前、宮崎県の串間原発反対運動の活動が盛り上がってきていました。 震災 3 日前には、「活断層で日本はひびだらけだから海の近くに原発を作るのは危ない」などの予言の実録。

  そして、メッセージは?

  今の最悪の震災・原発災害をきっかけにして、
  自然や音楽を大切にしながら原発は要らない、生き方を変えよう!

  宮崎市のドイツ出身国際交流員、クリンガー・サシャが制作しました。
  ほかの活動について、下記の私のブログをご覧下さい。
  http://saschimi77.wordpress.com/

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第 18 回放送  :  2011 年 8 月 2 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

南相馬の震災 FM 放送


   南相馬災害 FM は、東日本大震災・福島第一原子力発電所の事故を受けて、南相馬市が開局した FM 放送局です。

   周波数 79.5 MHz で、毎日午前 9 時・午後 1 時・午後 5 時からの各 1 時間、主に南相馬市役所からのお知らせや、放射線測定値など、地域に密着した情報を伝えています。

   福島県外からは「 サイマルラジオ 」を通じて、インターネット経由で聞く事が出来ます。 また、再放送は、南相馬災害 FM のウェブサイト から聞く事が出来ます。

   南相馬災害 FM のウェブサイトでは、「 今日の南相馬市 」や文字放送なども見る事が出来ます。

   お便りやお問い合わせは msfm795 [at] yahoo.co.jp までお願いします。

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第 17 回放送  :  2011 年 7 月 26 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

東北の子どもがいま必要なもの

報告 : 町井 望  ( 特定非営利活動法人 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン )


1. 相馬市の沿岸部について

   7 月 5 日、福島県相馬市を訪問しました。沿岸部には未だにたくさんの瓦礫が残っており、3 割程度しか撤去できていないとのことでした。 陸地には複数の大型漁船が残されており、また、津波で流され廃棄された車両や、家屋の一部が至る所に山積みにされていました。

   風で瓦礫の埃が舞い、夏は暑さによって悪臭が漂い、そして放射能の影響があり、沿岸部付近の学校では、あまり窓を開けられないという、困った状況が起きていることが分かりました。

2. 放射能の影響について

   内陸の福島市や伊達市に比べて、相馬市は放射線量が低いようですが、雨どいの下や、排水溝、埃がたまりやすい建物の隅や、土の上などからは、相馬市内でも非常に高い放射線量が検出され、学校の校庭の土を除去したり、立入禁止にするなどして、子どもがそのような場所に近づかないよう、できる対策は行われていました。

   学校の教室においても、本当は窓を開けずに授業をしたいところですが、教室内には扇風機やクーラーがないため、窓を閉め切ると暑さのため授業になりません。また、南相馬市など、原発から近い地域に住む子どもたちが相馬市へ避難し、学校に転入しており、1 クラスあたりの人数も 40 人以上と多くなっているため、窓を閉めたままでは暑くなり、仕方なく、窓を開けて授業を行っているという様子を目にしました。

   訪れたのが七夕前だったため、クラスには願い事が描かれた短冊が飾られていました。それらの中には、「 放射能からみんながかいほうされますように 」という願いがあり、子ども自身も放射能のことを心配しながら生活しているということを、改めて認識させられました。

3. 経済的な打撃について

   福島県では、地震や津波に加えて、放射能の影響による被害という 3 重の苦しみが県民を襲っています。そのため、非常に広い範囲で、経済的な打撃を受けています。

   例えば、相馬市には、夏場は多くの人で賑わう大浜海水浴場、市民の憩いの場として親しまれてきた大須海岸、県内唯一のあさりの産地として潮干狩りもできる松川浦、東北でも有数の活魚の水揚げ港として人気のあった水産物直売センターなどがあり、自然と文化、産業が融合する、魅力的な海岸部を有する市でした。

   しかし現状、原発の影響や津波による瓦礫のため、復興までの道のりが見えません。

   他方で、慣れ親しんだ相馬市をまた、もとの元気な街に戻そうと、少しずつ避難していた人々が戻ってきているようです。ただ、経済的に厳しい家庭が少なくないようで、制服やジャージといった学用品も揃えられずにいる新 1 年生が、7 月になってもいることが分かりました。

4. 心のケアについて

   今回の震災で、精神的に不安定になっている児童・生徒がいることを、学校の先生方は心配されていました。 福島県では、放射能の影響で学校を開校しない地域があり、サテライト校として開校している遠方の学校に通わざるを得ない生徒たちがいます。

   そういった生徒たちは、家庭を津波や地震で壊され、また、普段とは違う学校に通うということで、どこにいても安らぐ場所が無い、という気持ちになっているのです。

5. FTCJ の活動

   FTCJ では、福島県相馬市の学校や教育委員会から聞き取り調査を行い、これから資金を集め、特別プログラムを開発し、子どもへの教育支援を重点的に行いたいと考えています。

  • 相馬市内の高校新 1 年生で、制服やジャージが手に入らない生徒への支援
  • 夏の暑さ対策への支援 ( クーラーや扇風機などの提供 )
  • 国産のガイガーカウンター ( 放射線量計測器 ) の配布支援
  • 心のケアにつながるワークショッププログラムの開発と実施
  • → 子どもと子どもがつながるプログラム
  • 福島を元気にするイベントの企画、実施など

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第 16 回放送  :  2011 年 7 月 19 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

福島・南相馬市 原発から 20 〜 30 キロ圏

報告 : 川又 啓蔵  ( 南相馬在住レポーター )


   「 緊急時避難準備地域 」として指定を受けた、福島第一原子力発電所・半径 20 - 30 km 圏内の地域。

   福島県南相馬市は、市内のどこまでが 30 km 圏内なのかについて、明確に判断を示さないまま、「 居るも避難も自己責任 」 という態度を取りました。他方 「 全町・全村避難 」を決断した、同県・双葉郡内の町村の中でも、川内村では " 安全が最優先 " として、国や県の指示を待たずに、「 全村避難 」 との判断をしました。

   南相馬市内の住民は、最近になってこのような 「 同じ距離圏内の他の町村の動き 」 について知るようになりました。

   未曾有の原子力災害において、「 危険な理由が見つからなかったから 『 避難しない 』 」 というのが正しいのか、「 安全な理由が見当たらないから 『 避難する 』 」 のが正しいのか。少なくとも、防災や危機管理の視点から見るならば、後者の判断がなされるべきではないでしょうか。

   先日、この南相馬市内の、とある工務店を訪れました。同店は 60 歳代の経営者と、その息子である 30 歳代前半の後継者によって営まれています。
   原発事故以後、息子は妻子とともに、関東地方に避難して生活を続けています。そのため現在は、経営者夫婦と近所に住む高齢の職人たち数人で切り盛りをしています。

   経営者の妻によれば、今のところ、息子は放射能汚染を心配して、南相馬に帰ってくるつもりはないということです。もちろん、本心では南相馬に戻り、震災の前と同じように、父親と一緒に仕事をしたいのでしょう。

   お客さんのニーズに応えたいという気持ちは親子共通。その一方で、今後の人生や子どもの安全を考えると、安易に 「 帰って来い 」 とは言えない状態。
   経営者親子の苦悩、また、父子の間に立つ、妻の複雑な気持ち。家族の、そして、親子の気持ちが引き裂かれていく現実。引き裂かれた溝は、日に日に深くなるように感じられます。

   このようなケースは、南相馬の地域では、決して珍しいことではなくなってしまいました。
   また、県外に避難している被災者に話を伺ってみると、仮に、警戒区域や緊急時避難準備地域などの指定が解除されても「 息子夫婦たちは南相馬には帰さない。自分たちだけが戻る。 」 と話す人がほとんどです。

   単に、距離的なモノや事が引き裂かれても、それは 「 可逆 」 かもしれません。しかし、「 引き裂かれた心 」 は、その亀裂を修復することが相当難しい、「 不可逆 」 なことでしょう。

   津波が襲来した先端から、およそ二百数十メートル程しか離れていない場所や、ホットスポットから数キロの地点に仮設住宅を作るなど、「 守られるべきは誰なのか? 」 という疑問と、ありとあらゆるものが引き裂かれている現実が、この南相馬市には数多くあります。

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第 15 回放送  :  2011 年 7 月 12 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

震災後の性暴力を防ぎたい

報告 : 中野 宏美  ( 震災後の女性・子ども応援プロジェクト )


   東日本大震災の中で、私たちは、1995 年に起こった阪神・淡路大震災の際に、 被災地や避難所において性暴力に遭った女性や子どもたちがいたことを思い出しました。 震災時には平時よりも性暴力が増える現実は、海外だけでなく日本でも報告され、憂慮されています。

   そこで、女性や子どもに対して震災時の性暴力防止と支援を強化することを目的に、 日ごろ女性や子どもに対する支援や、暴力防止に取り組む NPO 等が連携し、 「 震災後の女性・子ども応援プロジェクト 」 を立ち上げました。当面の活動として以下の活動を展開しています。

  1. 被災地の女性や子どもに対し、性暴力防止のための啓発活動ならびに情報提供を避難所等で実施する
  2. 医療従事者・災害ボランティア等に対し、被災地の女性や子どもが性暴力に遭わないための啓発活動ならびに情報提供を避難所等で実施する
  3. 被災地の女性や子どもに対する支援に携わる団体への寄付を市民に呼びかける

「自分を大切にするよ」やくそくカード
   被災地や避難所で「自分を大切にするよ」やくそくカードを、物資とともに配布しています
被災地でカードを配布している様子

   カードには声をあげられる相談先を掲載しています。


パープル・ホットライン



災害時の性暴力・DV防止ネットワーク

   災害時には誰でも不安になります。 「 おかしい 」 「 変だな 」 と感じることがあったら、相談してください。

   ~ 一人で悩まないで あなたは一人ではありません ~

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第 14 回放送  :  2011 年 7 月 5 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

困ったときはおたがいさま

報告 : 森 透  ( 特定非営利活動法人 地球対話ラボ )


   日本は、難民受け入れのハードルが高い国です。テレビなどで難民がとり上げられるときは、国外退去などの話題ばかりです。
   難民と日本人などとで一緒に被災地ボランティアが行われていると聞き、取材を思いつきました。そのひとりに、新宿で店をやっている人がいるとのことでした。エディさんです。

   エディさんは、飲食店経営を学ぼうと、春にヨーロッパに行く予定を立て、航空券の用意もしていました。ところが震災が起こり、キャンセルして被災地に向かいました。外国人が次々と日本を離れる中で、自分は日本で、被災者支援をしたいと考えたからだそうです。東北の人々との友情が深まっています。

   エディさんの店、ルティグルはとてもフレンドリーな店です。自家製サングリアは甘さ抑えめでうまいです。

   協力 : 特定非営利活動法人 難民支援協会

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第 13 回放送  :  2011 年 6 月 28 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

外国から見た不可解な日本人

報告 : スベンドリニ・カクチ


   震災と原発事故の実態は、日本の外から見ると不可解で伝わりにくいようです。

   政府や東京電力などは、情報を発信するどころか、隠蔽しています。そのなかで外国人ジャーナリストは自分で情報を収集・判断し、使命感によって行動しました。

   その報道によって、海外から多くの支援や連帯が寄せられています。

   いま、被災者に限らず、日本で暮らす「私たち市民」には、人任せにせず、「お上」に頼らないで、自分の意見を発信し、自分で判断して行動することが求められているのではないでしょうか。

   市民個人の思いが見えてくる発信によって、既に海外から寄せられている支援や連帯は、もっと深く強いものになるでしょう。

   ( 企画 : 渡辺 裕一 )

番組ナビゲーター プロフィール

第 12 回放送  :  2011 年 6 月 21 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

この子を守れますか?

報告 : 吉野 裕之  ( 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク )


   20 ミリシーベルトの基準撤回を求めて、福島の父母たちが文科省に乗り込み、 文部大臣は 「 1 ミリシーベルトをめざす 」 との文書を福島県に出しました。

   しかし、この 1 ミリシーベルトから除外されているのが、 給食やほこりの吸引による内部被ばく、通学を含む学校外での被ばく、事故直後 3 月の被ばくです。

   「 福島の子どもたちは崖淵に立たされています 」 と吉野さんは訴えます。

   全国の人々の理解と支援なしには、苦境から脱することは到底できない状況にあり、 市民と専門家による支援は国内、フランスなど海外に広がっています。

   子どもを持つ親はみな、避難するか、残るか、重い選択の前で苦悩しています。
   福島からの 「 この子を守れますか? 」 との問いは、 私たち日本全国の人間に向けられています。

   ( 企画・構成 : 森  透 )

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第 11 回放送  :  2011 年 6 月 14 日 22 時 〜   BS11 「 INsideOUT 」内

東京葛飾 下町の心意気

報告 : 野口 扶美子  ( 東日本大震災  葛飾高砂 チーム T  実行委員長 )


   震災からひと月は、ニュースを見て泣いたり悲しんだりしながら、子育て・仕事を抱えるわたしには何ができるのか、悶々としていました。
   足もとからできること、町と町を結ぶ支援ができたら ... と思っていたとき、 勤め先に、宮城の教育委員会宛の学用品支援の要請が届き、私の地元・葛飾高砂の町をまとめて、実施することにしました。 ( 教育委員会からの学用品支援要請は、4 月末で終了しています )

   高砂の住吉自治会の有志や、住吉小学校の PTA に呼びかけて実行委員会 「 東日本大震災支援・葛飾高砂 チーム T 」 を立ち上げ、 葛飾区立新宿中学校、高砂中学校、住吉小学校、高砂小学校と各 PTA 、ボーイスカウト葛飾第三団、葛飾合気会の協力を得て必要な物資を集め、 PTA や地域の方々 30 人以上で仕分け作業をしました。みんなが何かをしたい!とずっと思っていたということを強く、強く感じました。

   受取窓口である宮城教育大学 ( 仙台 )、気仙沼教育委員会に届けて気仙沼に一泊しました。 山勝さんが、気仙沼のおじちゃん、おばちゃんに町の人の感覚で話しかけていたのが印象的でした。 「 町の人は、やはり町の人の心をほぐすのがうまいな 」 と感じました。 行政でも専門家でもない、ふつうの町場のおじさんだからこそ持つ力を感じました。

   被災地の状況も日々変わってきています。今は、物資を主とするような緊急時から、より人から人の支援が必要な時期へと移ってきています。
   自分の住む地域の人びとが、東北の支援を通して、地域のつながりを強くし、またその思いを東北の地域の再生につなげていけるような活動を、これからも続けていければと思っています。

東日本大震災  葛飾高砂 チーム T

   チーム T は多くの方々が関わっています。

東日本大震災 葛飾高砂 チーム T

   放送に登場した、山勝正久さん ( 一番右・住吉自治会 ) のほか、この 5 名の方が中心になって動いてくださいました。左から、石川雅朗さん ( 住吉自治会 )、目黒達也さん ( 住吉小学校 PTA )、佐々木裕一さん ( 新宿中学校・住吉小学校 PTA )、島賀照さん ( 住吉自治会 )、平川麻里さん ( 新宿中学校・住吉小学校 PTA )。その左に私 ( 野口扶美子 ) です。

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